興信所の現実

興信所で探偵をしています

小さい頃は探偵ごっこなどよくやって遊んでいましたが、まさか自分がその探偵という仕事を生業にするようになるとは思って見もしなかったことで、人生って本当にわからないなあと思ってしまいます。

私は興信所に勤めているのですが、興信所にくる依頼というのは極端に言うともうほぼすべてが「浮気」「異性」に関係することなんです。

この世の中どうなっているのと思うほど、夫婦間、恋人間の家出調査や浮気調査の依頼案件が多いんです。

私は興信所に入る前は探偵というと、もっとミステリーハンター的なものを思い描いていたのですが、実際にはそんなことは滅多にありませんでした。

おかげさまで、いろんな浮気調査を通して、依頼者様がどんな兆候を見て浮気を疑うのか、どういう言動に一番傷つくのか、どういう対処を一番期待しているのか、たくさん経験してだんだん人の心理というものがわかってきました。

探偵を雇うくらいなので相当思い詰めていらっしゃるかたがほとんどです。

しかし、探偵の私がいうのもおかしいですが、ほとんどは自分一人で考え込んでしまって誇大妄想気味になっているケースも多いです。

興信所に依頼がくれば調査は行いますが、実際に調査をしても何も出てこないこともけっこうあります。

中にはどんなに尾行をしてもなんの疑わしい点も見られず、客観的に見て依頼主様の思い込みだと思えるような時でも、興信所にお願いしたんだから、探偵を数週間も雇ったんだから、何か悪い証拠がでるはずと決めてかかっておられる方もたくさんいらっしゃいます。

本来、浮気調査をして浮気の証拠が一切でなければ喜ばしいことだと思うのですが、既に気持ちが喜ばしい結果を受け入れられないほど追い詰められていて、なにか浮気の証拠を出してくれと言われる方もいらっしゃいます。

探偵や興信所は決して浮気の証拠ねつ造をするところではありませんのでできるだけ丁寧にご説明するのですが、なかなか難しい職業だなと日々感じています。

興信所で探偵を使って夫や妻の浮気調査を検討されている方にアドバイスですが、できるだけ家庭でも証拠となるようなものを集めていただきたいです。

外のことは私たちが責任もって担当しますが、家の中でしかわからない兆候もたくさんありますので、是非見逃さないで伝えて欲しいのです。

また、いくら興信所でプロの探偵が浮気調査をしても、一日や二日で何かわかるものではございません。依頼されるときはある程度の日数が必要なことを理解していただきたいと思います。