興信所の現実

基本に忠実な調査を実施する探偵

探偵の一日は長い。

調査を実施する朝には早朝に起床し調査対象の服装や顔確認を実施して夕方からの調査に望む事が日常的と言えるでしょう。

もし、この基本的な動作を実施しない探偵がいるならば「基本的な調査を無視」した調査を実施する探偵であり「調査初日から失敗」となってもおかしくないと言えるのです。

探偵個々の能力にも関わるお話になるのですが「依頼者からの事前情報に頼って顔写真」を基に調査を実施することは少々リスクが生じ僅かではありますが「調査の失敗する可能性」が発生するものなのです。

調査対象者が規模の大きなオィスビルに勤務先がある場合等は複数の探偵によって調査を実施するものです。

複数の探偵すべてが「顔確認する能力が均一」ならば心配無いのですがどうしても「探偵の能力に個人差が存在」するため「自信をもって調査対象と断定できない探偵」も現存するのです。

視力や認識力にも及ぶお話なのですが「写真から人物を判断する場合」には特徴が読み取りにくい場合が数多くあります。

特に調査対象が男性で中年だった場合には目立った特徴が少なく服装も皆似たり寄ったりといったケースが多いのです。

このようなことから調査初日から顔写真を頼りに調査を実施する探偵は「失敗を覚悟で調査を実施」していると言え、探偵として基本に忠実な調査が実施できていないと言えるのです。

調査中に見えてくる動向

調査実施中に調査対象者の行動から「その後の動向」が読み取れることは少なくありません。

勤務時間を終えて退社した調査対象者が一人で帰宅途中に食事をする。

この行動から読み取れるその後の行動は「誰かと食事する可能性が極めて低い」ことでしょう。

あわせて「一人で飲みに行く可能性も高く無い」と言えるのです。

ご自身の普段の行動と照らし合わせていただければご理解いただけることなのですが「物事を合理的に考える人物」は無駄な動きや行動をしない傾向が強く表れます。

男女性別に関係なく言える行動パターンであり、一人で食事をして満腹な状況下で「居酒屋で一杯やスナックで一杯」と移行する可能性のお話になるのです。

単身食事を済ませた人物がその後に選択する行動は「買い物・趣味・習い事」のいずれかに移行するか帰宅するかのどちらかと考えられるのです。

この調査を依頼している人物が仮に「浮気の証拠」を取得したいと考えて探偵に調査を依頼しているならば「今日の調査は打ち切り」と判断できるのです。

終始一人で行動する調査対象に対して長々調査を継続しても要領を得ない無駄の多い調査となってしまうのです。

推理と想定

現場で働く探偵は「調査対象のとった行動が何を意味するか?」考えて調査を実施しています。

この考えが無く只々尾行を継続するだけの探偵は「想定する能力に欠ける探偵」となってしまい「調査の失敗」も覚悟しなければならないでしょう。

探偵は「調査対象が次の瞬間どう行動するか?」を常に想定しながら調査を継続しなければなりません。

通勤経路である駅構内のエスカレーターで改札を目指している最中でも「エスカレーターを常に歩く人物なのか?」想定しながら尾行を継続しなければ「エスカレーターで距離が開いてしまい調査対象を見失う」なども充分に想定できる結果なのです。

それ以前に何故?急いで移動しているか?移動を急ぐ理由が何であるのか頭の中で幾つかの可能性を想定しなければなりません。

人が選択する行動には必ず理由が存在しています。

ですから「探偵は行動から想定」することにより「失敗しない為の判断や選択」を「想定内」にもっていなければならないのです。

この考え方は探偵としての経験値が低い人物には成立しない考え方なので全ての探偵に当てはまりません。

探偵としての十分なキャリアと数えきれない程の調査を実施してきた人物のみが実施できる調査手法なので経験の浅い探偵は想定外が多く当てはまらない手法と言えるのです。

一般の方が多く勘違いされているものに「探偵の推理」があります。実際の探偵が実施する調査に推理や推測は必要ありませんし意味をもちません。

依頼人が持つ確実な情報から裏付けられる「可能性の高い選択」を調査に選択し「推理よりも事実からの想定」が第一に重要となって調査に必要となるのです。